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間違いやすい給与計算事例

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  1. 「深夜残業単価=1時間当たりの賃金×1.5」で起こるミス
  2. 支給漏れを指摘され、即、現金支給をした場合に起こるミス
  3. 休日労働イコール3割5分増しとは限らない
  4. 兼務役員は役員報酬と従業員分賃金を分けて支払う

「深夜残業単価=1時間当たりの賃金×1.5」で起こるミス

1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働した場合には、1時間当たりの賃金の25%以上、午後10時から午前5時までの深夜に労働した場合にも1時間当たりの賃金の25%以上の割増率で割増賃金を支払わなければなりません。

そのため、時間外労働と深夜労働が重なる部分については50%以上の割増率で割増賃金を支払うことになります。この辺のことは、給与計算を行っている方ならよくお分かりでしょう。

では、実際にあなたの会社では、どのように時間外単価・深夜単価を求めていますか。よくあるのが、「普通残業単価=1時間当たりの賃金×1.25」、「深夜残業単価=1時間当たりの賃金×1.5」といった算式で求めるものです。確かに間違いとは言えませんが、この算式で計算していると払い過ぎになるケースがあります。

実際に例を挙げて計算してみましょう。まずはオーソドックスな例から。次の図1のように始業時間午前9時、終業時間午後6時、休憩時間1時間、1日の所定労働時間8時間の会社があったとします。図1の例の残業をした社員Aさんの給与は月給(日給月給)です。1時間当たりの賃金を計算してみると1,000円だったとしましょう。

(図1)

この場合、「普通残業単価=1,000円×1.25=1,250円」、「深夜残業単価=1,000円×1.5=1,500円」となるので、「普通残業代=1,250円×4時間=5,000円」、「深夜残業代=1,500円×1時間=1,500円」、合計6,500円となります。これは正解です。

それでは、次の図2のように午後2時から深夜0時まで働いた場合の残業計算はどうなるでしょう。このような勤務のケースは、シフト勤務をしている小売業や飲食店のようなサービス業、介護事業のような福祉の業界などにおいては、そう珍しいことではないはずです。ここでは、図1の例のAさんが、何らかの理由により遅刻して来て深夜労働をしたと仮定しましょう。

(図2)

これを計算するのに、「深夜残業代=1,500円×2時間=3,000円」とやってしまったら払い過ぎです。

なぜなら、下の図3を見ればお分かりのように、午後10時から午後11時の間は深夜労働には該当しますが、時間外労働には該当しないからです。しかも、既に月給として支払っている分に対してまで、余計に賃金を支払っていることになります。

(図3)

「深夜残業単価=1時間当たりの賃金×1.5」とする考え方は、午後10時以降の労働は時間外労働に該当するのが当然であるという考え方です。でも、図3の例のように、必ずしも時間外労働に該当するとは限りません。

では、どのように計算すればこういったミスを防げるでしょうか。それは、図3を見て分かる通り、残業1時間、深夜労働2時間といったように集計方法を変えれば間違わなくて済みます。

この場合、「残業単価=1時間当たりの賃金×1.25」は同じですが、深夜単価は「深夜勤務単価=1時間当たりの賃金×0.25」となります。

これで計算し直すと、「残業単価=1,000円×1.25=1,250円」、「深夜勤務単価=1,000円×0.25=250円」となりますので、「残業代(時間外勤務手当)=1,250×1時間=1,250円」、「深夜勤務手当=250円×2時間=500円」、合計1,750円となります。

次の図4は、図1の集計方法の変更後の図です。ここで、図1の例も改めて計算し直してみましょう。

残業時間は午後6時から午後11時までの5時間、深夜勤務時間は午後10時から午後11時までの1時間。「残業代(時間外勤務手当)=1,250円×5時間=6,250円」、「深夜勤務手当=250円×1時間=250円」、合計6,500円ですので、上の計算結果と同じになります。

(図4)

うちの会社は、午後10時以降は絶対に時間外労働しか有り得ないということでしたら「深夜残業単価=1時間当たりの賃金×1.5」のままでも構いませんが、そうでない場合は集計方法を変更して「深夜労働単価=1時間当たり賃金×0.25」にしたほうが良いでしょう。

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